乱読からのつぶやき

「後世への最大遺物」内村鑑三

明治27年、芦ノ湖の畔での、キリスト教徒第六夏季学校の講話。我々は何をこの世に遺して逝こうか。金、事業、思想、文学?誰にも遺することのできるところの遺物は、勇ましい高尚なる生涯である。

…私に五十年の命をくれたこの美しい地球、この美しい国、この楽しい社会、このわれわれを育ててくれた山、河、これらに私が何も遺さずには、死んでしまいたくはないと希望が起ってくる。(略)ただ、私がドレほどこの地球を愛し、ドレだけこの世界を愛し、ドレだけ私の同胞を思ったかという記念物を、この世に置いて往きたいのである…

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明治時代の講演会に参加している気分で読んだ。内村鑑三の穏やかで熱い語りが伺える。