乱読からのつぶやき

「人生論ノート」三木清

死、幸福、懐疑、習慣、虚栄、名誉心、怒、人間の条件、孤独、嫉妬、成功、瞑想、噂、利己主義、健康、秩序、感傷、仮設、旅、個性について書かれている。昭和13年6月から「文學界」に掲載されたものをまとめたもののため、区切りが良く読みやすい。物事を論理的に考え直し思慮した。

…虚栄は人間的自然における最も普遍的な且つ最も固有な性質である。虚栄は人間の存在そのものである。人間は虚栄によって生きている。虚栄はあらゆる人間的なもののうち最も人間的なものである…

…旅は過程であるが故に漂泊である。(略)旅の利益は単に全く見たことのない物を初めて見ることにあるのではなく ーー全く新しいといい得るもが世の中にあるであろうかーー むしろ平素自明のもの、既知のもののように考えていたものに驚異を感じ、新たに見直すところにある…

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「創元選書」刊行の目的がいい。