乱読からのつぶやき

「思考の整理学」外山滋比古

1983年に刊行され、1986年に文庫化された。30年間で200万部以上売れたベストセラー。長い間売れたのには訳がある。エッセイ形式で文章が短くまとまり読みやすい。学校の学びがグライダーで飛行機を作りにくくなっていると説く。考えたことを寝かせる事や、三上:馬上・枕上・厠上での考え事。三多:看多・做多・商量多で文章上達の秘訣など参考になることが多く書かれている。朝ご飯前に考えるのが良い。そのために朝飯を抜いてしまえとの発想も面白い。

…倉庫としての頭にとっては、忘却は敵である。博識は学問のある証拠であった。ところが、こういう人間頭脳にとっておそるべき敵があらわれた。コンピューターである。これが倉庫としては、すばらしい機能をもっている。いったん入れたものは決して失わない。必要なときには、さっと引き出すことがでる整理も完全である。(略)ようやく創造的人間ということが問題になってきた。コンピューターのできないことをしなくては、というのである…

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2020年7月30日96歳お亡くなりになる。「アイディアのレッスン」も読みたい。
カバー装画:安野光雅も同年12月24日94歳でお亡くなりになった。