2010年に出版された本。ハーバード白熱教室としてNHKでテレビ放映された。今読んでも思考力があがる内容。もし一人の命を犠牲にすれば多くの人が助けられる。そのために、その人を突き落とすことが正義なのか。人工中絶やES細胞研究容認論では、受精卵や幹細胞は、いつから人間とみなすのか。功利主義、リバタリアニズム(自由至上主義)。
…(費用便益分析)タバコ会社はタバコが人を殺すことを否定していたものだが、いまや殺すことを自慢している(略)1227ドルは、喫煙によって一人死ぬたびにチェコ政府が節約できる金額を表している…
…人生は公平ではない。自然がもたらした結果を政府が修正できると信じたい気持ちもわかる。しかし嘆かわしい不公平さから、われわれがどれほどの利益を得ているかに気づくことも大切だ…
訳者:鬼澤 忍