乱読からのつぶやき

「河合隼雄の読書人生ー深層意識への道」河合隼雄

「深層意識への道」を復刊した文庫本。読んだ本を自分の人生の中で、どのように生かしたか、読書体験を通した自伝のような本。幼少の頃は、「少年俱楽部」「世界名作選」を兄たちと読める環境にあり、大学時代には、夏目漱石やホフマン等読んでいるのが興味深い。ユンク研究所、箱庭療法と心理学研究者の流れも分かる。「意識と本質」井筒俊彦、「とりかへばや物語」(日本古典)は読みたくなった。

…リミットは境界です。われわれが普通に生活している日常生活というのはいろいろな構造をもっています。男と女、目上と目下、金持ちと何とか(略)われわれはそれなりの秩序を保っています。(略)人間というのは、そういう日常生活の境界を越えて、リミナリティ(境界領域)の世界に入ることが非常に大切なことです(略)分かりやすいのが無礼講というもの…

岩波現代文庫