乱読からのつぶやき

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「理科系の作文技術」木下是雄

理科系の視点だが、文科系が読んでも大変参考になる。文の構成、事実と表現、わかりやすく簡潔な表現等中盤が特に役立つ。文章を書くときに思い出しながら書くことにする。 …日本語では、いくつかのことを書きならべるとき、その内容や相互の連関がパラグラ…

「人生論ノート」三木清

死、幸福、懐疑、習慣、虚栄、名誉心、怒、人間の条件、孤独、嫉妬、成功、瞑想、噂、利己主義、健康、秩序、感傷、仮設、旅、個性について書かれている。昭和13年6月から「文學界」に掲載されたものをまとめたもののため、区切りが良く読みやすい。物事を論…

「仙台本屋時間」前野久美子

「book cafe火星の庭」前野さんが企画・編集された本。佐伯一麦、柳美里などのエッセイ、エリアごと本屋散歩のお話など。本、本屋のことがいっぱい書かれた本で、しあわせな気分になりながら読んだ。若かりし頃に住んだことのある仙台に、また出かけたくなっ…

「ABE MARIA」谷崎潤一郎

谷崎のフェチの要素を残しながら、戦後の早百合子の話。挿絵の東郷靑児の絵も色気があって良い。 …私は以前お前と一緒によく見に行った帝国館やキネマ倶楽部や金春館の時分の事を想い出す(略)私はいつもさふ思ってゐる、映畫と云ふものは人間か機械の力で…