乱読からのつぶやき

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「荒野の古本屋」森岡督行

2014年発行の本。茅場町の古美術店が閉店するときにたまたま訪れた、古いビルで古本屋を始める。写真集を中心に販売、一誠堂書店で働いたことが生かされている、ロバート・キャンベルとの関係など、運だけではなく、きっと日々の仕事や生活の積み重ねが生か…

「貧しさ」マルティン・ハイデガー、フィリップ・ラクー=ラバルト

「貧しさ」は、ハイデガーが1945年6月疎開先で行った短い講演の記録。18世紀から19世紀の移行期にヘルダーリンが次のような導きとなる言葉をしるしている「我々においては、すべてが精神的なものに集中する。我々は豊かにならんがために貧しくなった」この言…

「智惠子抄」高村光太郎

智惠子の夫、光太郎の愛情が伝わる作品。智惠子は、精神疾患になり光太郎より先に亡くなっている。最後の「梅酒」は、死んだ智惠子が生前作っておいた梅酒から作った詩で、光太郎の気持ちが切ない。 新潮文庫:表紙の切り絵は智恵子作