乱読からのつぶやき

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「みみずくは黄昏に飛びたつ」村上春樹、川上未映子

川上未映子が、村上春樹にインタビューする対談集。会場と時間を変えながら四回にわたって対談が行われた。第四回目は村上春樹の書斎で行われている。文庫版には二年ぶりに行われた対談も追加で収められている。作品のこと、作家作業のこと、趣味のことなど…

「唐草物語」澁澤龍彦

安倍晴明、プリニウス、藤原清衡、コムバボス、始皇帝などの話が12話書かれている。あとがきに、澁澤が「あらゆる模様のうちでアラベスクはもっとも観念的なものだ」とボードレールが『火箭』のなかに書いている。いうまでもなくアラベスクとは、唐草のこと…

「ベトナム戦記」開高健

「週刊朝日」に連載したものを箱根に1週間こもって書き直したもの。前半は、ベトナムの様子やベトナム人の人柄など面白、可笑しく書かれている。後半は、1965年2月14日、戦場のなかで死を意識するほどの最前線での実体験が伺える。文章表現もいい。ベトナム…

「今日の芸術」岡本太郎

今年で生誕110年。岡本太郎の名著。今日の芸術は、うまくあってはいけない。きれいであってはならない。心地よくあってはならない。岡本の真髄がわかる。 …人は気づかないでいるかもしれないが、芸術は生活に物理的といえるほど強力な変化をあたえるのです。…