乱読からのつぶやき

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「三つ編み」レティシア・コロンバニ

インド、シチリア、カナダの3人のヒロインが登場。地理的にも、社会的にも大きくかけ離れた境遇にあって、面識もない彼女たちの人生は、ちょうど三つ編みのように交差していく。最後のつながり、3人の力強さに勇気をもらった。 …順番がまわってきた。スミタ…

「鳥海山」森敦

鳥海山のことを書いた短編5作品が読める。初真桑では、蒸気機関車であろう汽車が、もどき、だましと呟き進んでいる。鴎や朝鮮凧のことも面白く読める。山形弁の会話も良い。「鳥海山」から、「月山」に続いていく。 …「ンだ。たンだこうして乗れば、動かねえ…

「中年の本棚」荻原魚雷

40歳から50歳へ年を重ねながら、エッセイを書き溜めたものをまとめた本。たくさんの50歳前後にまつわる本を読み、その内容について書かれている。荻原さんの本を読んでいると、なんだかホッとします。 …ジェーン・スーは、中年になってたどり着いた「生きて…

「残りものには、過去がある」中江有里

結婚披露宴を巡る6つの物語。一つの披露宴でつながっている。内容は、レンタル友達、不妊治療、引きこもり、片思い、格差婚などそれぞれ面白い。最後の物語につながる構成も上手い。 装幀:新潮社装幀室