乱読からのつぶやき

「砂の女」安部公房

鳥のように、飛び立ちたいと願う自由もあれば、巣ごもって、誰からも邪魔されまいと願う自由もある。飛砂におそわれ、埋もれていく、ある貧しい海辺の村にとらえられた一人の男が、村の女と、砂掻きの仕事から、いかに脱出をなしえたか…色も、匂いもない、砂との戦いを通じて、この二つの自由の関係を追求してみたのが、この作品。安部公房の名作。何回読んでも面白い。