乱読からのつぶやき

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「おしゃべり各駅停車」眉村卓

SFショート・ショート作品。作品前に、スピーチというかエッセイ、愚痴?のようなものが毎回ついている。こちらの方が面白く読んでいた。この様な並びは、通しで読むときに頭の切り替えが必要。雑誌「バラエティ」昭和53年4月~昭和55年1月に連載されていた…

「放浪記」林芙美子

1922年(大正11年)から1927年までの日記形式で書かれた自叙伝。貧しいながらも、仕事や住むところを転々としながら、悲しくて泣いたり、旅に出たしながら生きている。時代背景も感じられる。 …女工が二十人、男工が十五人の小さなセルロイド工場、鉛のやう…

「JR上野駅公園口」柳美里

上野恩賜公園でホームレスをしている1933年生まれの主人公が、高度成長期の東京オリンピック建設に出稼ぎをしたこと、東北の家族のこと、東日本大震災で家族を亡くしたことなど、話が交差しながらテンポよく読める。天皇家の方々が美術館等に訪れる、行幸啓…

「金閣寺」三島由紀夫

金閣寺を崇拝する僧が、火を放つことによってしか、美を永遠に保つことが出来ないと考え実行するストーリー。クライマックスに向かって高揚感が感じられる。実際に、昭和25(1950)年7月2日金閣寺は焼失した。 …私が人生で最初にぶつかった難問は美といふこと…