乱読からのつぶやき

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「ノストラダムスの大予言」五島勉

ノストラダムスは、フランス人、医者、1551年に48歳と記載がある。予言書「諸世紀」原題名「les siecles」は木版印刷で200部ほど出版された。12巻、各巻100篇ずつの四行詩が納められている。1999年7月に人類は滅亡しなかったが、本文に、世界が終わる日前に…

「棺の中の悦楽」山田風太郎

ストーリー展開と構成が素晴らしい。最後の落ちも良い。 弱みを握られた脇坂篤が、訳ありの高額の現金を預かる。その現金は出所後に持ち主に渡すことになっていたが、長年好きだった匠子が結婚したことにより、篤は、開き直って1人半年の契約で合計6人の女…

「トランスファー」中江有里

玉音と寝たきりの洋海の姉妹の話。元気な玉音の身体に、洋海の心が入り、子どもや彼氏、母親の事で悩んでいる玉音の気持ちが交差する。 …深い海の中を漂っていると、すべての力を奪われる。あらがわず、クラゲが微生物のようにかすかな水流にさえ流されてい…

「思い出トランプ」向田邦子

エースからキングまで、13枚のトランプカードに見立て、13話の短編で作られてる。短編の中に、それぞれの人間模様と無駄のない構成が良く、内容は、何気ない日常の中で痛くもあり、怖くもある。 …新聞や雑誌をひらくと、指という字だけが向こうから飛び込ん…

「愛の渇き」三島由紀夫

大阪の田舎で生活する悦子を主人公にした話し。良人(夫)良輔の死。彌吉、三郎などの人間模様。負の力から喜びや生きがいを感じる悦子が怖い。このような考え方もできるのかと感心した。 …悦子は四十度の熱がすでに十日もつづいて、その熱が封じ込められて…