乱読からのつぶやき

「沖の稲妻」内田百閒

昭和17年発行、随筆集。戦争の事や関東大震災後の事など書かれている。

…今日までの生涯のうちに三度大戰爭に會つた。この頃の明け暮れに大空の如く覆ひかぶさつた戰爭中と云ふ氣持を古い記憶に結び附けて見る(略)戰爭中でも世間の氣持は落ち着いてゐた様である。しかしなんにも事がなかつたわけではない…

新潮社版