乱読からのつぶやき

「見仏記」いとうせいこう みうらじゅん

仏像愛が伝わる作品。いとう氏とみうら氏のコンビも絶妙。

…表情や様子は大切なもので、その形は人間の表情を支配する。気持ちがなごむから微笑むのではなく、微笑むから気持ちがなごむこともある。まるで奇妙な鏡のように、その如意輪は私に微笑みの形を教えているのだ、と思った。確かに、顔を見ると途端にこちらの頬がゆるむ。なるほどなあ、とひとりごとが出た。これが仏像の力だったんだ…

カバーデザイン:安斎肇

カバーイラスト:みうらじゅん