乱読からのつぶやき

「金閣寺」三島由紀夫

金閣寺を崇拝する僧が、火を放つことによってしか、美を永遠に保つことが出来ないと考え実行するストーリー。クライマックスに向かって高揚感が感じられる。実際に、昭和25(1950)年7月2日金閣寺は焼失した。

…私が人生で最初にぶつかった難問は美といふことだった(略)美がたしかにそこに存在してゐるならば、私といふ存在は美から疎外されたものなのだ…

…戦争はをはった(略)灼けた砂利の上には、かくて私だけの影があった。金閣がむかうに居り、私がこちらに居たと云ふべきだろう…

…例の娼婦を金閣の庭に踏んで以来、又、鶴川の急死このかた、私の心は次の問いをくりかえした。「それにしても、惡は可能であろうか?」…

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装幀:今野忠一

令和2(2020)年11月25日、三島由紀夫は没後50年を迎えた。

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令和2年12月29日、北山鹿苑禅寺(金閣寺)は18年ぶりの葺き替えられ、お披露目された。