乱読からのつぶやき

「家庭の事情」源氏鶏太

古本屋さんや本屋さんで、本を買ったり読んだりすることが好きです。

先日、富山市へ出かけました。高志の国文学館で郷土作家の源氏さんの展示をみました。早速、古本屋さんで、「家庭の事情」を購入して読みました。

f:id:keis7777777:20191218234008j:plain

家庭の事情 源氏鶏太

内容は、退職した主人公が、5人の娘に50万円ずつ、結婚資金として事前に渡し、そのお金を絡めながら話が展開していきます。初版が昭和36年12月5日文芸春秋新社から出ています。この時代の50万円の価値はかなり高額のもの。現代なら宝くじが当たって家族で分けるような感じでしょうか。作品は口語体で読みやすい内容でした。会話の言葉尻が「~~よくってよ」となっていますし、子どもが5人と言うのも時代を感じます。

自分は、本を読んで頭の中のイメージをどのようにつけているのか?

言葉尻や金額が違和感を覚えるところから考えると、文章を映像に変換する時、現代の映像で読んでいるようです。

源氏鶏太氏の作品を本屋さんで見ることは少ないですが、他の作品も読んでみようと思います。

表紙の装幀は、東郷青児氏です。