乱読からのつぶやき

「ノストラダムスの大予言」五島勉

ノストラダムスは、フランス人、医者、1551年に48歳と記載がある。予言書「諸世紀」原題名「les siecles」は木版印刷で200部ほど出版された。12巻、各巻100篇ずつの四行詩が納められている。1999年7月に人類は滅亡しなかったが、本文に、世界が終わる日前には、多くの戦争、地震や洪水や疫病、彗星の出現、男女の間の乱れ、公害、飢餓、そのほかさまざまの忌まわしいできごとと記載がある。人類に来る危機について考える機会になった。諸世紀の四行詩が抽象的で、多方面から解釈ができ、もしかしたらという不安や、イマジネーションが広がる要素のなっていると思われた。自分の思考で、2500年の世界を考えてみるが、小説やSF映画で得た情報が浮かび、新しい発想、空想をすることの難しさを感じた。コロナ禍の今、ペストの話から始まるこの本は、色褪せず読むことが出来た。

…人類の思想は~とくに終末に挑む哲学は、もちろんキリスト教だけではないのだ。たとえば仏教には、人間は主体的な意思で運命を変えられる(中略)もし、この考え方をみとめるならば、「定められた未来」はそれほど問題でなくなるだろう。仮にいま、私たち一人一人が大気や水やその他いっさいの環境を汚すのをやめ、内部深くにあるエゴや戦争への衝動や、それへの傍観を克服できれば、そして、それを全人類におよぼせるのならば、少なくとも人為的な破壊だけは避けることができる…

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多く増版された本だが、古本屋で見かけることが少なくなった。