乱読からのつぶやき

「新戦後派」野坂昭如 寺山修司 永六輔 野末陳平

昭和44年に刊行された本。4名の著名人に毎日新聞社編集部が、インタビューしたものをまとめている。この4人は、昭和一桁生まれで、1945年8月15日に、何歳でどこにいて、終戦をどう迎えたかのか。昭和一桁生まれは、精神形成初期に、日常生活も教育も、国家による異常な緊縛を受け、国家の様々な施策や動向は、戦争末期の頽廃をあらわにした。これらを身に浴びて育った世代だ。焼け跡闇市派の野坂は、火垂るの墓を思い出すエピソードが身にせまる。寺山は、野球をコミュニケーションにたとえ発想の面白さを感じた。六輔、陳平はラジオやテレビのことが面白く書かれている。

イラストレーション:伊藤勝一