乱読からのつぶやき

「文學雜考」ボオル・ヴァレリイ

堀口大學譯「書物に就いて。僕が尊敬する書物の殆どすべてと、僕に何等かの點で役に立つた書物の全部とは、いづれも相當に難讀の書であった。讀者の思念は、それらの書物から、離れる事は出期来ても、端折つてそれらの書物を讀むことは出来ないのだ。或るものは、難解ながら僕の役に立つた、他のものは難解なるが故に僕の役に立つた。」「1612年に書かれた書物を讀んで、1912年の讀者が與へられる快楽または退屈は、殆んど純粋な偶然にさへ過ぎない。」

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昭和10年6月12日発行、1圓20錢。