乱読からのつぶやき

「帝国の構造」柄谷行人

「世界史の構造」の出版、これを中国で解説を加え講演、それをまとめ「現代思想」に連載、そして全面的に改稿し表題を変えて「帝国の構造」が出版されたと、あとがきに書かれている。この流れがあったからか、各章ごとに区切られた量も程よく、読みやすく、大学の講義を興味深く受けているような感じで読み進めた。「交換様式」を、A互酬(贈与と返礼)、B略取と再分配(支配と保護)、C商品交換(貨幣と商品)、D(X)と区分けし世界の歴史を考察しているので理解しやすい。

…世界=経済は、帝国が成り立たないところに出現する。主権国家がお互い対等ではない。経済的な発展により他国を圧倒する強国が出てくる「ヘゲモニー国家」と呼び、これは、たえず交換する。オランダ、イギリス、アメリカがこの国家であった。現在は、新たなヘゲモニーをめぐる争いが生じる段階にある等のことが書かれている…

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世界の経済状況が不安定になったコロナ後を考えると不安になるが、過去の歴史から学びより良い未来に繋がっていって欲しい。