乱読からのつぶやき

「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」川上未映子

2008年1月、青土社。文庫版は、ちくま文庫。第14回中原中也賞を受賞した作品。物語性があるようでない、短文だが、脳ミソをフル回転しながら読み進めた不思議な作品。分類は”詩”になる。

…数え切れない皺に守られて慈悲を練り込んだような暗黒の象の目なのです。それは堂々としたあらゆる球体の母親であるかのように深く深く、波打っています。その象の目には本という何十億の面が反射しあって何十億という人々の色々が映っています…

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カバー作品:鴻池明子